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皿バネをベローズスプリング(直列)とし、プレロードヘルパーとして使用する場合の説明。

 

皿バネをベローズ(ジャバラ)スプリングとして使用する場合、『積層枚数により密着荷重は変化しない』という特性があります。

コレを使用する場合、『密着荷重/ストローク量』から定数を造りだす事が可能なため、皿バネの枚数が自由長となり、そのストロークと密着荷重から定数を造りだす事となります。

(枚数を増やすと定数は低くなり、減らすと定数は高くなります。)

 

また、皿バネの厚みを変える事により、密着荷重は変化するため、定数はもとより、その組み合わせにより非線径累進荷重(バリアブル)も作り出す事が可能となります。

 

これをメインのコイルスプリングと組み合わせ、プレロードヘルパーとして使用する場合、

以下の点で優位な部分があります。

 

 ① 密着荷重と定数のバランスにおいて、従来のコイルスプリングタイプと比べると密着荷重が低く、

   密着荷重に対してストロークが小さいため、高い定数として使用する事ができる。

 

 ② 実質定数は、作動直後から中間が最も高くなり作動後半は折れ線となり定数は低くなるため、

   メインスプリングからサブスプリングに移行する際、従来のコイルスプリングでみられた、

   急激なリフティング(跳ね上げ)が解消できる。

 

 ③ コイルスプリングタイプに比べ、作りだせるストロークの割りに、密着高さが低いため、

   スペースの確保ができる。

 

 

コイルスプリングのスラスト効果について。

コイルスプリングには、従来、『ネジリ反力』が存在しています。

これは、微細なモノとして捉えられがちですが、

競技においては、そんな微細なモノであっても捨てるわけにはいきません。

 

競技車両において、なぜ『高いレート』を必要とするのかを、考えていただければわかるように、

欲するモノは『反発力』です。その『反発力』を有効に取り出すために、定数、応力、張力などのバランスを模索しているはずです。

 

つまり、スプリングに発生する、『ヒステリシス』=量となる『定数』・方向性となる『応力』・速さとなる『反発力』のバランスを模索しているわけです。

 

しかし、一度製造してしまったスプリングのバランスを変更する事は不可能です。

そこで、従来から使用されていた、スラストコントロールを融合する事にしました。

 

これは、スプリングの『ネジリ反力』を使用する有無と量で、ベローズスプリングとスラストストッププレートを組み合わせ、皿バネの積層枚数により分散荷重をコントロールし、皿バネをスラストコントロール材として使用し、『スラスト調整機構』の役割を果たさせています。

 

これらを総合的に考える場合、以下の点から適切な面圧を発生させる事が可能で、

グリップ力・コントロール性の向上が可能となります。

 

 ① 高い定数を持つ皿バネにより、ダイレクトに近いプレロードを掛ける事が可能で、

   メインスプリングの使用に対して、適切な使用環境と位置づけが可能となる。

   

   『応力のコントロール』

 

 ② 積層枚数による、密着荷重変化がないため、ストロークのコントロールが容易で

   リフティング(リバウンドストロークから発生するリフトフォース)による

            ロールのコント ロールが容易。

   

   『量のコントロール』

 

 ③ 積層枚数とスラストストッププレートから、分散荷重のコントロールが可能で、

   メインスプリングのスラストコントロールが容易に行え、メインスプリングの

           ヒステリシスのコントロールが可能となる。

 

   『速さのコントロール』

 

 

以上の事から、スラスト調整・ストローク調整・プレロード調整を可能としたユニットととして

 

ベローズ(蛇腹)プレロードヘルパーユニット・『プリロード・スプリング』を開発・製作致しました。

 

 

    Preload-Spring 取扱い説明

 

○密着荷重とプリロードについて

 

ID65-90 1.4mm厚の皿バネを使用する場合、密着荷重は190KGです。(青マーク)

4枚仕様の場合、ストロークは約7mm、許容70%で、定数19kg/mmになります。

 

ID65-90 1.6mm厚の皿バネを使用する場合、密着荷重は280KGです。(赤マーク)

4枚仕様の場合、ストロークは約7mm、許容70%で、定数28kg/mmになります。

 

 使用しているメインスプリングの定数が皿バネ定数より低い場合、ストローク確保を見越した上で全長を調整しても、

車高が高くなる場合があります。組み付け前に車高を測定し、取り付け後に確認をお願いします。

 

 ユニットには6枚の皿バネを使用する事が可能です。(出荷時は4枚仕様) 

必要な場合はオプションの皿バネを単体でお買い求め下さい。ストロークの調整・定数の調整が可能です。(密着荷重の調整は不可)

密着荷重以下の輪荷重車両に使用した場合、1G状態で皿バネが密着しません。

この場合、他のサスペンションパーツが上手く機能しない場合がありますのでご注意下さい。

 

 メインスプリングへのプリロード(イニシャル)は、使用するスプリングにより異なりますが、自由長-2mm程度を推奨します。

それ以上のプリロードが必要と感じた場合、鋼材張力を含めたスプリング選択の見直しを推奨します。

(高張力鋼材・ハイテンションクロム・など)

 

 

 

○スラスト調整機能ついて

 

 スラストストッププレートにより、メインスプリングのスラスト量をコントロールする事が可能です。

スラストストッププレートの入れる位置(順番)を変える事により、分散荷重をコントロールし、

メインスプリングに発生する捩じり反力を調整出来ます。(画像参照)

これによりメインスプリングのヒステリシスをコントロールしている事と同等の効果を得られます。

 

 スラストストッププレートをメインスプリングに直結した場合は、従来のスプリングシートと同様です。

スラスト枚数を増やすとスラスト効果が大きくなり、ヒステリシス的に反発力の少ないスプリングを演出出来ます。

この場合乗り心地はマイルドな特性を示しますが、反発力の低下に伴う追従性の低下が現れグリップ力も低下方向へと繋がります。

この機構は基本的にリヤのスライド量調整アイテムとして使用して下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ※直結                    ※ハーフスラスト                     ※フルスラスト

 

 

 

 

○ピロスプリングシートとの併用を推奨します。※セッティングの進化性※

 

メインスプリングに対し適切なプリロードを使用した場合、高い反発力を得る事が可能となります。

 

この高い反発力は、高い追従性を示し、高いグリップ力を発生する反面、スプリングの個体差をあらわにします。

また、取り出した高い反発力はスプリング自体の歪みも招くため、それを抑制するピロスプリングシート

が優位なアイテムとなります。

 

 ピロスプリングシートと併用した場合、リバウンド減衰にスプリング反発力の抑制を依存する事を控えられるため、

減衰を低く設定する事が可能で、反発力(追従性)により一層の面圧確保が可能となります。

 

また、スプリングレングス(自由長)も歪み対策が必要無いためショート化する事が可能で、

より一層の反発力を使用する事が可能となります。

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